しばらく映画のことをアップしないまま早いもので1年が過ぎてしまいました…。
映画やドラマについては、きちんと書こうと意識しすぎて筆が止まるということを何度も繰り返してしまったので、これからは思いつくまま気軽に雑記レベルで更新していくことにしました。

色々欲しいものをまとめ買いすることがあって1か月間だけamazon primeを契約。prime videoはNetflixと比べると新旧の洋画作品が充実しているので洋画好きの私には向いていると思います。
個人的に好きなダリオ・アルジェント監督作品が何作かラインアップされていたほか、彼のドキュメンタリー作品もあったので早速視聴しました。
まずは1980年作品の『インフェルノ』。私が前職で国内での初DVD化に関わった作品。その時のことを2007年7月にブログで書いていました。今から19年前・・・懐かしいです。
■スタッフ&キャスト
本作は「決してひとりでは見ないでください」のコピーがあまりにも有名、日本でも大ヒットしたオカルトホラー『サスペリア』(1977)の正統的な続編で"魔女三部作"の2作目にあたる。『サスペリア』のヒットを受けてハリウッド(20世紀フォックス)資本で製作、ヨーロッパを中心にヒットしたが北米はFOX社の内紛などの影響を受け公開がペンディングとなってしまった。日本は1980年に公開。ところが『サスペリア』のヒットに味をしめた東宝東和が『サスペリア』とまったく関係のないアルジェントのジャーロ映画"PROFONDO ROSSO"(1975)を『サスペリアPART2』として1978年に公開してしまっていた。『インフェルノ』を配給するFOXはおそらく作品のポジショニングに悩んだはずだ。"続編"でない作品が"PART2"として先に公開されて世に認知されている(『サスペリアPART2』は『サスペリア』より2年前に作られた作品だったが、内容の評価が高く日本でも人気があった)中で、こっちが本家"続編"ですよ〜という打ち出しはネットのない当時、かなり難しかったと思う。当時のチラシを見るとサブコピーが
"「サスペリア」「サスペリア2」の鬼才ダリオ・アルジェント監督が三たび放つ恐怖地獄篇……"
と作品自体を『サスペリア』の正統的な続編とは謳わず、どちらかというと"アルジェント"ブランドで打ち出している。そのかわり「サスペリア」を超える"20大ショック"という大げさな惹句で紹介、本当に20個も残虐シーンがあったかどうかは???だが、面白いのはチラシの裏面でストーリーをかなり丁寧に書いてしまっているところでネタバレも甚だしく、時代を感じさせる。
本作はアルジェント作品の中では、特に荒唐無稽でストーリーは破綻気味で辻褄が合わないところも多々あるが、青や赤の映像のコントラストの美しさやキース・エマーソンの耳に残る音楽がかなり印象的だ。この作品で"魔女三部作"が定義されたというのも意義深い(ただ3作目が製作されたのは27年後…)。
アルジェント作品は女優を痛ぶるのが定番だが、本作の女優陣は美しい。アイリーン・ミラクル(透け透けのサービスショット有り)やダリア・ニコロディ、エレオノーラ・ジョルジがあっさりと惨殺されてしまう。ファンの間では"役立たず"の主人公と言われたマーク役のリー・マクロスキー。『サスペリア』は主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が魔女ヘレナ・マルコスをしっかりと退治するが、マークは逃げてばっかり。ただスージーもマークも魔女に対しては"万能"な何かを持っているのだろう(と思う)。ちなみに本作の魔女は看護師に扮していたヴェロニカ・ラザールというルーマニア出身のイタリア女優、当時42歳前後だったと思われますがキリっとした美人。最後は"死神"(?)に変身するがあまり攻撃的ではなかったので、マークはあっさり逃げ切る。『サスペリア』も本作も魔女の館が燃えて大団円。魔女は本拠(アジト)としている館が燃えてしまうと死んでしまうのだろうか。彼らは火には弱そうだ。となると本作のMVPは誤って体に火がついてしまいそのまま屋敷にダイブして火事を引き起こしたアリダ・ヴァリ女史ということになるのかな。そんな裏読みも一興だ。
■DVD発売の思い出
2007年に発売したDVDはおかげさまで結構売れました。業界用語で言うところの"スマッシュヒット"。何より本作のDVD化を待望していたファンの方々からのたくさんの歓喜のメッセージが嬉しかったのを覚えています。
ここからは蛇足。2011年頃にDVDの権利が突然他社に移ってしまう事態に…。キングレコードがFOX本社と水面下で直接交渉して発売権をアクイジション(奪取)したのだ。FOXの日本支社が稼ぐ健全かつ適正な利益以上の金額をキングがFOX本社に提示したことは想像に難くない。おそらくキングの担当がものすごいホラーマニアで権利獲得にこだわっていたのだと思う。というのもこの頃"魔女三部作"の3作目『サスペリア・テルザ 最後の魔女』が『インフェルノ』から27年を経て製作(日本公開は2009年)、キングはその権利を獲得しており、1作目『サスペリア』の権利獲得と合わせて3部作のソフト化を目論んでいたようだ。こういう企画はよくある話。例えば『ターミネーター4』のDVD発売をする際、発売元のソニーピクチャーズが1〜4作までまとめたBOX商品を発売したいと考えたとき、当時1の権利を持つFOX(MGM作品を扱っていた)、2&3の権利を持つユニバーサル(旧パイオニアLDCの流れ)と交渉してディスクの提供を受けてBOX発売をしたというケースはあった。キングの場合は権利を持つメーカーからのディスクの提供を受けるというよりは、高額なロイヤリティを払ってでも一定期間権利を保有して自分たちの思い描く理想のコンテンツでパッケージ化したかったのだと思う。
そのためか『インフェルノ』交渉について事前に日本側に何の相談もなく、FOXの本社もアクイジションの件についてまったく知らせてくれなかったので、我々は事情を何にも知らないまま権利移転後も出荷停止しないで、しばらく売り続けてしまっていたことを覚えている。キングさん(別の担当者)とは別作品でスペシャル版仕様のDVDを出したいとオファーされたときにはうまくやっていたので、この件でも気軽に相談してくれれば良かったのに・・・と当時は思いました。その後、キングさんは『インフェルノ』のDVD〜ブルーレイを発売、"魔女三部作"のBOX商品も晴れて発売していたので担当者さんはきっと達成感はあったと思う。メジャーにはできないコンテンツ収録(国内の吹替版素材やメイキング等)や凝ったBOX仕様もなかなか素晴らしいものでした。その"こだわり"=作品への愛情は尊敬に値します。
■prime videoの感想
さてprime videoでの鑑賞でしたが、HDの本編はきれいでした。『サスペリア』を思わせる赤に加えて青の発色がとても素晴らしい。久しぶりに見直すと本の一節から始まるオープニングは後で触れる予定の『シャドー』(1982)に、館が燃え上がるエンディングは『サスペリア』に似てますね。
日本語字幕のクオリティはかなり悪い。おそらく翻訳ソフトなどを使った機械的な訳になっていて話にならないレベル。好きな人は話は分かっているので字幕無しか英語字幕で観るのをお勧めしたい。
■ソフト発売など
配信(オンデマンド)は、prime videoでチェックできます。➡ こちら
現在はハピネットから発売されているブルーレイが最新版だと思われます。
この流れで『インフェルノ』に続いてアルジェントが監督した『シャドー』(1982)、ダリオ・アルジェント監督のドキュメンタリー映画『ダリオ・アルジェント PANICO』について書こうと思いましたが、長くなったので後日に回します。
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映画やドラマについては、きちんと書こうと意識しすぎて筆が止まるということを何度も繰り返してしまったので、これからは思いつくまま気軽に雑記レベルで更新していくことにしました。
インフェルノ(1980)/ INFERNO

色々欲しいものをまとめ買いすることがあって1か月間だけamazon primeを契約。prime videoはNetflixと比べると新旧の洋画作品が充実しているので洋画好きの私には向いていると思います。
個人的に好きなダリオ・アルジェント監督作品が何作かラインアップされていたほか、彼のドキュメンタリー作品もあったので早速視聴しました。
まずは1980年作品の『インフェルノ』。私が前職で国内での初DVD化に関わった作品。その時のことを2007年7月にブログで書いていました。今から19年前・・・懐かしいです。
■スタッフ&キャスト
監督 : ダリオ・アルジェント
出演 : リー・マクロスキー、アイリーン・ミラクル、アリダ・ヴァリ、ダリア・ニコロディ、ヴェロニカ・ラザール
■作品について本作は「決してひとりでは見ないでください」のコピーがあまりにも有名、日本でも大ヒットしたオカルトホラー『サスペリア』(1977)の正統的な続編で"魔女三部作"の2作目にあたる。『サスペリア』のヒットを受けてハリウッド(20世紀フォックス)資本で製作、ヨーロッパを中心にヒットしたが北米はFOX社の内紛などの影響を受け公開がペンディングとなってしまった。日本は1980年に公開。ところが『サスペリア』のヒットに味をしめた東宝東和が『サスペリア』とまったく関係のないアルジェントのジャーロ映画"PROFONDO ROSSO"(1975)を『サスペリアPART2』として1978年に公開してしまっていた。『インフェルノ』を配給するFOXはおそらく作品のポジショニングに悩んだはずだ。"続編"でない作品が"PART2"として先に公開されて世に認知されている(『サスペリアPART2』は『サスペリア』より2年前に作られた作品だったが、内容の評価が高く日本でも人気があった)中で、こっちが本家"続編"ですよ〜という打ち出しはネットのない当時、かなり難しかったと思う。当時のチラシを見るとサブコピーが
"「サスペリア」「サスペリア2」の鬼才ダリオ・アルジェント監督が三たび放つ恐怖地獄篇……"
と作品自体を『サスペリア』の正統的な続編とは謳わず、どちらかというと"アルジェント"ブランドで打ち出している。そのかわり「サスペリア」を超える"20大ショック"という大げさな惹句で紹介、本当に20個も残虐シーンがあったかどうかは???だが、面白いのはチラシの裏面でストーリーをかなり丁寧に書いてしまっているところでネタバレも甚だしく、時代を感じさせる。
本作はアルジェント作品の中では、特に荒唐無稽でストーリーは破綻気味で辻褄が合わないところも多々あるが、青や赤の映像のコントラストの美しさやキース・エマーソンの耳に残る音楽がかなり印象的だ。この作品で"魔女三部作"が定義されたというのも意義深い(ただ3作目が製作されたのは27年後…)。
アルジェント作品は女優を痛ぶるのが定番だが、本作の女優陣は美しい。アイリーン・ミラクル(透け透けのサービスショット有り)やダリア・ニコロディ、エレオノーラ・ジョルジがあっさりと惨殺されてしまう。ファンの間では"役立たず"の主人公と言われたマーク役のリー・マクロスキー。『サスペリア』は主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が魔女ヘレナ・マルコスをしっかりと退治するが、マークは逃げてばっかり。ただスージーもマークも魔女に対しては"万能"な何かを持っているのだろう(と思う)。ちなみに本作の魔女は看護師に扮していたヴェロニカ・ラザールというルーマニア出身のイタリア女優、当時42歳前後だったと思われますがキリっとした美人。最後は"死神"(?)に変身するがあまり攻撃的ではなかったので、マークはあっさり逃げ切る。『サスペリア』も本作も魔女の館が燃えて大団円。魔女は本拠(アジト)としている館が燃えてしまうと死んでしまうのだろうか。彼らは火には弱そうだ。となると本作のMVPは誤って体に火がついてしまいそのまま屋敷にダイブして火事を引き起こしたアリダ・ヴァリ女史ということになるのかな。そんな裏読みも一興だ。
■DVD発売の思い出
2007年に発売したDVDはおかげさまで結構売れました。業界用語で言うところの"スマッシュヒット"。何より本作のDVD化を待望していたファンの方々からのたくさんの歓喜のメッセージが嬉しかったのを覚えています。
ここからは蛇足。2011年頃にDVDの権利が突然他社に移ってしまう事態に…。キングレコードがFOX本社と水面下で直接交渉して発売権をアクイジション(奪取)したのだ。FOXの日本支社が稼ぐ健全かつ適正な利益以上の金額をキングがFOX本社に提示したことは想像に難くない。おそらくキングの担当がものすごいホラーマニアで権利獲得にこだわっていたのだと思う。というのもこの頃"魔女三部作"の3作目『サスペリア・テルザ 最後の魔女』が『インフェルノ』から27年を経て製作(日本公開は2009年)、キングはその権利を獲得しており、1作目『サスペリア』の権利獲得と合わせて3部作のソフト化を目論んでいたようだ。こういう企画はよくある話。例えば『ターミネーター4』のDVD発売をする際、発売元のソニーピクチャーズが1〜4作までまとめたBOX商品を発売したいと考えたとき、当時1の権利を持つFOX(MGM作品を扱っていた)、2&3の権利を持つユニバーサル(旧パイオニアLDCの流れ)と交渉してディスクの提供を受けてBOX発売をしたというケースはあった。キングの場合は権利を持つメーカーからのディスクの提供を受けるというよりは、高額なロイヤリティを払ってでも一定期間権利を保有して自分たちの思い描く理想のコンテンツでパッケージ化したかったのだと思う。
そのためか『インフェルノ』交渉について事前に日本側に何の相談もなく、FOXの本社もアクイジションの件についてまったく知らせてくれなかったので、我々は事情を何にも知らないまま権利移転後も出荷停止しないで、しばらく売り続けてしまっていたことを覚えている。キングさん(別の担当者)とは別作品でスペシャル版仕様のDVDを出したいとオファーされたときにはうまくやっていたので、この件でも気軽に相談してくれれば良かったのに・・・と当時は思いました。その後、キングさんは『インフェルノ』のDVD〜ブルーレイを発売、"魔女三部作"のBOX商品も晴れて発売していたので担当者さんはきっと達成感はあったと思う。メジャーにはできないコンテンツ収録(国内の吹替版素材やメイキング等)や凝ったBOX仕様もなかなか素晴らしいものでした。その"こだわり"=作品への愛情は尊敬に値します。
■prime videoの感想
さてprime videoでの鑑賞でしたが、HDの本編はきれいでした。『サスペリア』を思わせる赤に加えて青の発色がとても素晴らしい。久しぶりに見直すと本の一節から始まるオープニングは後で触れる予定の『シャドー』(1982)に、館が燃え上がるエンディングは『サスペリア』に似てますね。
日本語字幕のクオリティはかなり悪い。おそらく翻訳ソフトなどを使った機械的な訳になっていて話にならないレベル。好きな人は話は分かっているので字幕無しか英語字幕で観るのをお勧めしたい。
■ソフト発売など
配信(オンデマンド)は、prime videoでチェックできます。➡ こちら
現在はハピネットから発売されているブルーレイが最新版だと思われます。
この流れで『インフェルノ』に続いてアルジェントが監督した『シャドー』(1982)、ダリオ・アルジェント監督のドキュメンタリー映画『ダリオ・アルジェント PANICO』について書こうと思いましたが、長くなったので後日に回します。
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