ぼくは明日
しばらく前にamazonで買い物をした際に、購入決済のフローを進む中で無意識に"amazon primeの無料お試し1か月"のボタンを押してしまっていたようです。せっかくなのでお試し期間中はprime videoなどを楽しんでいます。BS/CSの映画専門チャンネルではなかなかオンエアされていない作品もラインナップされていて、思った以上に楽しめます。今回はその中で観た作品を紹介します。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする (2016)
【監督】三木孝浩
【脚本】吉田智子
【主題歌】back number「ハッピーエンド」
【出演】福士蒼汰、小松菜奈、山田裕貴、清原果耶、東出昌大、大鷹明良、宮崎美子
【ストーリー】京都の美大に通う学生の南山高寿は、通学電車の中で出会った福寿愛美に一目惚れする。勇気を振り絞って声をかけ、別れ際に「また会える?」と聞くが、それを聞いた彼女は突然涙を流し、抱き付いて来たのだった。驚く高寿には、この時の彼女の涙の訳を知る由もなかった。翌日、美大の授業で動物園に行くと、そこで昨日の彼女と再び出会う。その後すぐに2人は意気投合し、交際がスタートするが、初めてのデート、初めて手をつなぐ、初めてお互いを名前で呼び合う…、そんな初めてのことがあるたびに、彼女はなぜか涙を流す。高寿はそんな彼女を不思議に思いながらも愛情を深めていく。 違和感を覚えたのは、誰にも見せていない自作小説のヒロインの名前を、彼女が知っていると気付いたときだった。「予知能力でもあるの?」と聞く高寿に、彼女はいった。 「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」
初めてキスをして愛し合った日、高寿は想像も出来なかった彼女の秘密を明かされる。そして、2人の運命はすれ違いを始める。Wikiより

この作品との出会いは2017年の秋。同業の先輩からこの作品のコミック全巻を突然渡されたことから始まります。先輩によると作品の内容がいまひとつ理解できないから読んで感想を聞かせてほしいとのことでした。所属していた行政書士会のソフトボール大会の日で、会場(神宮)で渡されたのを覚えています。先輩とはおすすめの映画やDVD、本などの情報交換をしている仲だったので快く引き受けました。
読後感想のミッションにあたって私としては「ネット等で本作に関する情報を一切調べることなく見立てをする」ことをルールとして決めて、コミックのみを読み込んで感想と見立てをまとめて先輩にレポートとして提出しました。

感想文を提出した後しばらくして、たまたま音楽専門チャンネルで流れていたback numberの「ハッピーエンド」のPVに目が留まりました。PV(全篇が唐田えりか)のストーリーの流れが本作のイメージに物凄くオーバーラップしているということに気が付いて調べたところ、この作品が既に映画化されていてこの曲が映画の主題歌になっているということを知り納得した次第です。映画は東宝系で公開されていたので、しばらくすれば日本映画専門チャンネル等でオンエアがあるだろう、その時に自分の見立てや感想を改めて確認しよう・・・と思っていましたが私が見逃していなければオンエアはまったくないまま今日に至っていると思います。
この作品については小説➡コミック➡映画という3つのコンテンツがあります。私は小説は未読です。映画は東宝が製作しているので東宝の出資会社である日本映画専門チャンネルでのオンエアは頻繁にあってもよいと思いますが、何らかの事情があるのでしょうか。
■back number「ハッピーエンド」
このPVは本作のヒロイン主体のイメージで構成されていて出色の出来栄えです


感想など
本作はタイムパラドックスをベースにしたラブロマンスです。タイムパラドックスは本や映画でも多々ありますが、丁寧に描かないと矛盾が噴出して受け手の混乱をしばしば招きます。
ヒロインは"別世界"に生きている人であり、主人公(男)の世界とは時間の進行が逆に進んでいくのが特徴です。俯瞰でとらえると主人公が大人になるにつれて主人公から見るとヒロインは若くなっていくということになりますが、主人公の世界が一日進むとヒロインの世界は一日前に戻るということになるので『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』というタイトルに意味があるものと思います。これを聞くと洋画を観る方は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)を思い出す方が多いのではないでしょうか。老人の身体で生を受けた主人公が年を取るにつれて若返っていき(あくまで若返るのは見た目で年齢は進行していく)、最後は赤ちゃんになって生命を全うする話です。もし本作で同じ世界で2人が生きていたとすれば、どちらか片方が年を取るともう片方はどんどん若くなっていく・・・最後は生まれる前になってしまうということになるでしょう。
コミックを読んでの感想だったので、それをベースで書きます(映画は若干脚色されている)が、まずストーリーを理解するためには"時間軸"を整理する必要がありました。先輩に出したレポートの一部を抜粋したものです。
ぼく明日1
ぼく明日2
時間軸の進行が逆になっている2人にとって、いくつかのポイントがあります。
●5年に一度、同じ空間で過ごす機会がある。
●「20歳」が2人が同じ年齢でクロスするポイントであり、ここが2人にとっての貴重な時間となる。
●それぞれが「5歳」の時に相手に命を救われる事件が起きている。よって相手がちゃんと生きていてくれないと自分も生きられなくなる関係になっている。ヒロインが20歳を過ぎて主人公が子供になっても見守っているのはそのためかと思われる。
●それぞれが相手に「一目ぼれ」をする。主人公は「20歳」の時、ヒロインは「5歳」時。ヒロイン目線だとその後の5年単位での出会いの中で、主人公を探すことになる。映画ではヒロインが「15歳」の時とラストのヒロイン目線での描写が描かれている。

■感想
映画の前半部分の1日1日が進行していく描写はおそらくコミックの方がテンポが良いのだろうと思います。ただ時間軸の部分については比較的丁寧に描かれていると思いました。「20歳」の2人の恋と切ない別れ、主人公にとって出会った最初の日がヒロインにとっては最後の日になるわけでそのあたりを何回か見直していくことで深みが増していく作品なのではないかと思います。
映画公開されたことも当時まったく知りませんでしたが、自分の会社であまり映画を作らない東宝の数少ない自社制作の作品であり、この年のお正月映画の一本でした。興収18.5億円は悪くないですね。自社制作ということもあるのか割と丁寧に作られている印象で、キャスティングも無駄がありません。ヒロイン役の小松菜奈は設定と同じ当時20歳、15歳のヒロインを演じた清原果耶は当時14歳、主人公の福士蒼汰は23歳と違和感を感じさせない爽やかで清廉なイメージの俳優を起用しています。何より邪魔なジャニタレや芸人もいない。映画『NANA』やドラマ『のだめカンタービレ』でお母さん役をやっていた我らが宮崎美子がここでもお母さん役をやっている安心感。そして、切ない余韻の残る作品は悪くないです。ヒロインが主人公を探すくだりは好きですね。
コミックの良いところとして、ヒロインが5歳の時の主人公を助けたり、10歳の時に現れる場面はヒロインの"母性"のような一面を感じさせ、このあたりは時間的制約のある映画では描けない部分ではないかと感じました。
余談ですが、主人公の友人役で東出昌大が出演。主題歌のPVに出ていた唐田えりか(当時18-19歳)と後に不倫関係になってしまうのですが、この作品が最初の間接的な接点だったのかなあと勝手に思ったりしました。PVの彼女はとても魅力的だったので、その後の共演作『寝ても覚めても』で盛り上がってしまったのかもしれませんね。
DVD、配信、原作など
amazon primeで観られるので加入している方はぜひおすすめします。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
宮崎美子
2017-06-14







■DVD等

パッケージもBlu-ray/DVD含めて何バージョンか発売されています。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする 豪華版【Blu-ray】 [ 福士蒼汰 ]
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■原作本






ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫) [ 七月隆文 ]
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