シン・ゴジラ

今年で40回記念の"日本"アカデミー賞
日本アカデミー賞最優秀賞決定!
「継続は力なり」とは言いますが、かれこれ40年もやっているんですね・・・ その割に賞の品格、権威がいまだに身につかないのはなぜでしょう。本家アメリカのアカデミー賞なら、作品賞でもそれ以外の部門賞でも胸を張って歩けるし、作品についての関心も自ずと湧いてくるのに日本の場合は興行的な付加価値にさえもあまりならない。
おそらく日本の場合は「今年一年振り返って、映画会社各社さんで話し合ってとりあえず賞を割り振りましょう」「昨年は東宝さん幹事の製作委員会作品だったから、今年はそれ以外からまずは絞って考えましょう」的な考えで決めているのかな・・・と思う。なぜなら既にメイン興行(ファーストラン)をあらかた終えた作品だけで選出しているから、選ばれた作品は感覚的に「古い」ものばかりであること、また投票権を持つのがアカデミー会員約3,900人(主に映画会社関係で働いている人たちで年会費2万円を払っている)だから、実質的に"持ち回り"投票も可能。しかも、日本でいうところのメジャー(東宝、松竹、東映、角川)が協会を構成しているので、良質系ミニシアター作品は、ほとんど入ってこないのだ。ここがキネマ旬報主催の映画賞との最大の違いの一つでもある。
よって日本アカデミー賞は、広く世間に知られた大衆娯楽映画の中から選ばれた作品と位置付けることもできるのではないでしょうか。選ぶのは映画会社の人たちだから、自分たちで自分の作品を"総括"するみたいな。だからそこに客観性などを求めてはいけない。そこが本家アカデミー賞とも違う。
こちらは昨年のこの時期に書いたブログです。ライターの松谷創一郎 さんの分析記事も紹介しています。面白いです。
(第39回)
『シン・ゴジラ』が主要部門を受賞
邦画が好調で年間興収も伸びているといわれながらも、その屋台骨を支えているのはアニメーション映画である。よって実写から選出するとなると、興行的成功作品『シン・ゴジラ』かその対局的な唯一の単館系作品ともいえる『湯を沸かすほどの熱い愛』のどちらかと見立てていましたが、主演の宮沢りえが会場に来ていないし、こちらは主演と助演の最優秀女優賞を与えているから、思惑通り『シン・ゴジラ』が受賞。バランス感覚というやつ?!ただ"主役"のゴジラは来ていないし、庵野総監督もいなかった。まあBlu-ray/DVD発売のタイミングだったので、よい宣伝効果にはなるでしょう。 『シン・ゴジラ』について一言だけ。劇場で鑑賞して面白い映画だと思いました。ただ何度も同じ映像を見せられると、前半は東北地震での政権の対応の悪さをオーバーラップさせ、後半は現政権と自衛隊と官僚の素晴らしさを説いているように見えて、だんだん国策映画に見えてくるんですよね・・・
"ジンクス"は破られるのか?
私の興味はただ一点だけ。ジャニーズのタレントがノミネートされている年は、必ず彼らは最優秀賞を受賞するという"ジンクス"(決まりともいうべきか)がどうやらあるらしい。最優秀賞をもらえないとあらかじめ分かっている年は、そもそもノミネートすら辞退しているみたいだ。ということは、まさか岡田准一が『海賊とよばれた男』で受賞してしまうという"快挙"があるのかどうか。協会の最低限の良心が問われるところだったのだが、今年は自重したらしく、最優秀賞は逃した。かといって来年、キムタクの映画を評価することはないよね、と信じたい。来年の興味もこれ一点だけ。
まとめ
昨今の 「製作委員会」方式になって映画会社のカラーが見えにくくなっているのは事実。映画会社単独での製作は『シン・ゴジラ』のみ。作品賞ノミネート5作品のうちテレビ局が関わっている作品が3本、広告代理店が関わっているのが4本と相変わらずメディアミックス全盛である。
東映系作品が作品賞に1本も入っていなかった。東映がアニメや戦隊もので食いつないでいるのが明確で、実写のヒットを出せないでいるのが見えてくる。反面、松竹は、東宝の二番煎じ的な手法を一部取り入れるようになり、興行的には安定してきている。これが文化芸術の普及促進にすべて良しというわけでないことは、映画ファンなら分かっていることだと思います。松竹は本来の良さがあることは忘れないでいてほしい。
■Blu-rayは、3/22発売と絶好のタイミング