
週末にムービープラスでオンエアしていた作品を何本かチェック。
『クリミナル・ロウ』(1989年)*日本公開1991年
私が大卒で入社したレコード会社からハリウッド洋画系ビデオソフトメーカーに転職したのが1990年。この頃に公開・ビデオ化された作品です。
この作品、実は当時から今日までまったく未見でした。最初のビデオ発売(ビデオタイトルが『灰色の容疑者』)以降、今日現在まで廃盤になっているという珍しい作品です。
当時の配給が丸紅、ビデオ発売がRCAコロンビア(現在のソニー・ピクチャーズ)だったらしいのですが、現在までDVD化すらされていない幻の作品ということになります。
しかしながらオンエア素材は、クリアなHDレストア版。日本以外では、ソフトは流通しているようです。
この作品、若きゲイリー・オールドマンとケヴィン・ベーコンの競演。しかもまだフレッシュで悪役などを演じたことのない時代の2人。この作品が、のちに彼らの役柄や演技領域を広げることになったターニング・ポイント的記念すべき1本ということになるのです。
たまたまこういう作品に出会えることは、とても面白いです。
ゲイリー・オールドマンは、4作目の出演作品で本作がハリウッド初進出。この後、『JFK』(91年)、『蜘蛛女』(93年)と段々キレてきて、94年の『レオン』でキレッキレの演技を魅せて、そのカラーを印象付けました。
ケヴィン・ベーコンは、まだ青春スターど真ん中。この作品の後、『激流』(94年)あたりで本格的にヒールの魅力を開花させています。
お話は、有能な弁護士(ゲイリー・オールドマン)がレイプ殺人犯として起訴された青年(ケヴィン・ベーコン)を弁護して無罪を勝ち取ります。弁護士は、依頼人が犯人かもしれないと思っても、裁判をゲームとしてしか考えない男で、裁判に勝つことにしか興味がない男です。
ところが釈放された青年(ケヴィン・ベーコン)は、弁護士にまとわりつき彼を困惑させます。弁護士が青年に呼び出されるとそこにレイプされた女の死体があったり…自分が犯人である事をほのめかし、再逮捕に備えて再び弁護を依頼してきたり…
なぜそのような背景があるのか…謎解きの部分は、やや薄口ですが、若き2人の演技は見ものです。
イコライザー(2014年)
デンゼル・ワシントン主演のアクション作品。
知らなかったのですが、1984年から1989年にかけてアメリカ合衆国で放送されたテレビドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の劇場版とのことです。
元CIAのトップエージェントで今は平穏な暮らしをしている主人公が、不幸な娼婦を救ったことで、ロシアン・マフィアとの抗争に足を踏み入れるというお話。
TV版は未見ですが、どうやら悪いことは見逃せないキャラの主人公のようです。
本人がヒーロー然(スーパーヒーローではなくCIAのスペシャリストとしての技能)としすぎているのか、敵キャラが弱すぎるのが残念。もっとスリリングに作れたのではないかとも思いますが、「勧善懲悪」系のお話なので、何も考えずに気軽に観られる1本です。
海にかかる霧(2014年)*日本公開2015年
ポン・ジュノ監督の特集をムービープラスでやっている。
韓流はあまり観ないほうだが、彼の『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』『母なる証明』は映画館やDVDで観ています。
彼の製作・脚本による『海にかかる霧』を視聴。2001年に韓国で実際に起きた“テチャン号事件”を基にした舞台劇らしい。密航者の輸送を請け負った漁船を舞台に、思いも寄らぬ事態に直面した6人の船員が、極限の状況で繰り広げる欲望と狂気の人間模様。
中国人の朝鮮族の密航の話だが、韓流の凄いところは、南北問題や近隣諸国との政治・社会問題などを抉るような描写で作るところ。なので結構なリアリティで訴えかけてくるので、胸が痛くなることもしばしば。
日本は、戦時中をテーマにしたものは、現政権下では忌み嫌われて、気骨のある製作者が小規模公開で頑張ってやっているくらいだけれども、韓国ではまだまだ"今そこにある危機"と言える問題が多いのがわかる。
辛い話なんだけれども登場人物のキャラをしっかり立たせて、ある種のユーモアも含みながら描いているので、最後はある意味"清涼感"のような余韻が残る1本である。
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