グリード

ムービープラスでここ最近オンエア中。
1998年の作品。この作品、超拾い物と言っていい面白いB級映画である。しかも現在、DVDソフトは廃版中なので、ぜひ録画をお勧めしたい。
映画関係の前職だった時代、会社の先輩と業務時間中に抜け出してよく映画を観に行きました。その先輩とは2社目で出会って、縁あって4社目(前職)でもタッグを組むことができました。とてもお世話になった偉大な人物です。とにかく映画が大好き。好奇心旺盛なので、積極的に色んな作品に触れて商品知識やセンスを高めていくという姿勢に多大な影響を受けました。この作品も会社を抜け出して、有楽町で観た1本です。
豪華客船を舞台に未知の深海生物との死闘を描いたSFXアクション・アドベンチャー。監督は後にヒットシリーズとなった『ハムナプトラ』の監督となるスティーヴン・ソマーズ。VFXが名匠ロブ・ボッティン&ILMだからクオリティが高い。クリーチャーの造形はB級感はなく見事な出来栄え。『スターシップ・トゥルーパーズ』のバグズより個人的には好きです。
B級インディペンデント作品を面白おかしくインパクトフルに宣伝するのが配給の東宝東和の十八番。キャッチコピー「90分で3,000人- 喰って、喰って、喰いまくれ!」は秀逸。予告編でのキャッチの使い方も見事。うまい宣伝のお手本でした。
主演はトリート・ウイリアムズ。個人的には『デンバーに死す時』のブチ切れたイカレ野郎の役が印象的なB級映画御用達俳優。ヒロインは本作ではB級的な艶っぽさをムンムンと出してくれたボンドガール、いや「X-MEN」のフェニックス=ジーン・グレイと呼ぶべきか、美女ファムケ・ヤンセン。まだ若かったです。
目的不明の武装部隊を乗せた密輸船が東シナ海を処女航海中の豪華客船と遭遇して乗り込むと、そこには未知の深海生物がいて乗客を喰いまくっていて凄惨な地獄絵図と化していた…という話。巻き込まれ型である主人公と密輸船のクルーたち、客船内で生き残ったヒロインは、サバイバルと脱出劇を展開する。
単純なモンスター・パニック映画ながら、展開に無駄がなく、ウィットやブラック・ユーモアをうまく織り交ぜながら、最後のオチにつなげていく手法が見事。
いま観直すと、3D化しても全くそん色のない映像なので、いつかやってくれることに期待しています。
原題は"DEEP RISING"。"グリード"って「貪欲」とかそんな意味だったはず。映画『ウォール街』の名セリフ"Greed is good."が真っ先に思い浮かびますが、3,000人を喰ってしまったクリーチャーの食欲にひっかけたタイトルなんでしょうね。
★DVDは廃版中…