自分としては珍しくCXのドラマ「泣かないと決めた日」を観てみた。榮倉 奈々主演で、一流商社に入社した新人OLが散々ないじめを受けるという、やや暗いネタである。企業内のいじめだから、働いている社員個々が抱えている色んなストレスや悩み、嫉妬などのはけ口がまったく関係のない人間にぶつけられていく理不尽さが、現代にひそむリアリティとして描きたいのかな、なんて思ったけど正直この話、毎回主人公があらぬいじめを受け続けるとすると、この物語のゴールはいったい何なんだろうと思う。素敵な彼氏ができてゴールインなのか、キャリアOLとしての階段を駆け上がるきっかけを掴むのか、その両方を掴んでハッピーエンドなのか、いやただただ強い女の子に成長して実家に帰るとかなどなど・・・それがまったく予想しにくいドラマである。
でもドラマ自体は、いたってわかりやすく作られているし、突っ込みどころも満載だ。第一話で、主人公が創立記念日の行事や棚卸の仕事の連絡を意図的に邪魔されて知らされずに取り残される。でも大手商社なんだから、入社時のオリエンテーションや定期のチームミーティング等で大きな行事や業務はどう考えても事前に知りえるだろう。イケメンのエリート、要潤との出会いや関係の進歩も定石通り。更にその関係に嫉妬して裏で足を引っ張る同僚役の杏の役もお約束。嫉妬と足の引っ張り合いのトンデモ部署に配属されてきたクールなリーダー、藤木直人も主人公の「影の味方」だとすぐわかる。となると毎回、このドラマは何を楽しめばいいのだろうか。いじめのシーンは、だんだん不愉快になってくるし・・・カタルシスの落とし所に苦労しそう。
しかし、一流商社というのは、チームプレーで実績を出す会社か個々のスタンドプレーで実績を出す会社の2つのカラーに分かれるという。この会社はどう見ても、主人公の部署については三流会社そのものだ。おそらく藤木直人は、それも含めて再建にやってきたキーマンであり、彼にもし過去があれば、その部署で昔いじめられたOL(たぶん死んでしまった)との因果関係とかがからんでくるのかもしれない。これは深読み・・・
ちなみに視聴率は、初回10.2%となんとか二桁を獲得した模様。

泣かない
★ポスターイメージ