やっぱり今年は邦画が巻き返しに入った。「L」の大量宣伝と動員は象徴的で、3作で120億円を見込んでいるということ。今回40億円代に乗せれば、「アメリカン・ギャングスター」の4倍を稼ぐ事になる。純粋な作品力を比較する時代では完全になくなっている。高齢化社会により、余暇を映画で過ごす人口が増えている。映画のターゲットも見事に年代別に棲み分けられている。その分、洋画人口が食われている計算になる。洋画は話題性で引張るしかなく、そうなると大作集中化となり、中堅の良質な作品が沈むということになる。困った状況は続く。以下バラエティ紙より。

今年も邦画VS洋画のデッドヒート!?
邦画が息を吹き返す

2008/02/14

邦画の勢いが戻ってきた。2月9日(土)、10日(日)の週末興行ランキングで、邦画が1位から4位までを独占した。トップが『L change the WorLd』。以下、『チーム・バチスタの栄光』『母べえ』『陰日向に咲く』と続く。正月興行では、『マリと子犬の物語』(推定最終興行収入31億円)を除き、軒並み厳しい成績を余儀なくされた邦画だったが、ここにきて勢いを盛り返しつつある。

 スタート2日間でみると、『L change the WorLd』は正月以降では、『アイ・アム・レジェンド』に次いで2番目の好成績。今年公開された作品では断然トップで、“デスノート”ブームが、全く廃れていないことを証明した。配給側では最終的に40億円を目指し、『デスノート』前編と後編を合わせた80億円に加え、3作で120億円を視野に入れる。これは、動員でいえば、1000万人にあたるという。

 『チーム・バチスタの栄光』は20億円以上、『母べえ』は15億円以上、『陰日向〜』は17億円以上が、それぞれの現段階の最終見込み。各々が、全くバリエーションの違う作品であることが注目される。また、客層の幅の広さも特筆すべきだ。ファミリー層から10代、20代の男女中心の『L change the WorLd』。50代以上が圧倒的に多い『母べえ』。20代から40代が目立つ『チーム・バチスタの栄光』など、作品によって、見事に客層が分かれている。

 邦画の勢いが戻りつつあるのは、ここ1、2年で地に足がついてきた邦画への関心が、作品の中身次第で、すぐに広がりを見せることができるようになったことからだろう。各世代で、ひと昔前とは、邦画の見方が変わってきていることも大きい。昨年は、一昨年で巻き返した興行シェアを、再び洋画に抜かれてしまった邦画だったが、今年はまた両者が派手なデッドヒートを繰り返すことになるかもしれない。

 そうなることが、映画人口のアップにも結び付くことになる。<ここまで>