ここ数年、アフリカを舞台にしたドキュメンタリー・テイストのハードな作品が映画のトレンドとなっている。少し前の『ブラックホーク・ダウン』がソマリア内戦を描いたものだったが、最近の『ブラッド・ダイアモンド』『ホテル・ルワンダ』『ツチィ』なども佳作だ。今日は、その中でもウガンダのアミン大統領を描いた『ラストキング・オブ・スコットランド』をDVD観賞した。アミンと言えば、小学生の頃か『食尽大統領アミン』というB級映画があってCMがものすごいインパクトというかラストカットで肉を食べる大統領のシーンが静止画的に使われていて、ものすごく印象に残っていた。実際、当時は観に行くことはなかったのだが(いまだDVD化はされていないので、お蔵入りした作品となっている)、ここで初めてアミン大統領の名を知ることになる。その後、当時異種格闘技戦をやっていたアントニオ猪木との対戦!!という今では考えられないアイデアが実際あっらしいのだが、政情不安で消えたと記憶している。
さて本作は、スコットランド出身の青年医師がウガンダに赴き、大統領になったばかりのアミンと知り合い顧問の医師兼アドバイザーとなり、彼に魅せられていくのだが、後にアミンの狂気の真実を知り、脱出を図るというスリリングなストーリーとなっている。実話をベースにしているとのことだが、青年医師のモデルは当時のウガンダで勤務していた白人医師数人の統合的なイメージで描かれているらしい。
とにかく、こういった発展途上国の内戦や狂気の映画は、骨太系の監督が撮るに限る。『ブラッド・ダイアモンド』があれだけ秀作だったのは、社会派のエドワード・ズウィック監督の実績が大きかったからだ。
アフリカの悲劇は、先進国(植民地時代から引きずる・・・)の利権とエゴ、そして現地独特の部族間の対立によって起こるのが定石なのではないかと、つくづく感じてしまう。

ラストキング・オブ・スコットランド


★フォレスト・ウィテカーは晴れてアカデミー主演男優賞を受賞。