ここのところまた金融関連の不祥事(何も金融に限ったことではなく、公務員の不祥事や企業の不正など蔓延するすべてのモラル・ハザード)が相次いでいる。中でも生活に密接に関連しているのが、生保の不払いの事件だ。以下、代表的な記事を引用。
(ここから) asahi.comより
生保不払いの恐れ、公表12社の合計100万件超
「請求がなければ支払わない」。こんな姿勢で生命保険会社が放置してきた膨大な不払いが、ついに明るみに出た。大手・中堅12社分だけで不払いの恐れのある契約は100万件超。損害保険業界で判明した不払いの規模を大きく上回る可能性が高い。対応が後手に回り続ける生保業界の先行きに、トップ辞任が相次いだ損保業界の姿が重なる。 続きはこちら。(以上)
私はまず、日本は独特なスタイルの保険大国だという印象を受ける。まず、保険のおばちゃん(ニッセイのおばちゃん、自転車で・・・の世界)が保険会社と契約した個人事業主となって、保険を売りまくり、生業とするスタイルが主体であるということ。おばちゃん故に、地域や血縁を頼りに販路を広げていくという密着型の営業をとる。そしてポイントは、保険のおばちゃんは、自身の生業のために保険を売るのが最大目的であるから、消費者にに最適な商品を売るのではなく、保険会社にとって都合のいい儲かる保険を売るのが特徴なのだ。
その象徴的な商品が「定期付終身保険」や今回不払いのもととなっている主保険にくっついている、いくつもの「特約」というものだろう。
そして最近の人はそれほど知らないかもしれないが、ついバブルがはじける前後まで、保険はある種の貯蓄性のある「金融商品」という側面をもっていたという事実も見逃せない。当時の保険のおばちゃんは、健康のリスクとしての保険というよりは、貯蓄運用としての保険として勧誘していたのである。いわば、「この保険に入っておくと、こんなに貯まるよ」というのが売り文句だったのだ。
だから約款の細かいところまで説明など出来るわけがないのだ。
バブル崩壊を経て、ソニー生命などの外資系勢力が、大手企業のサラリーマンをヘッドハンティングしてファイナンシャル・プランナーとして、消費者の納得のいく提案型の保険営業をするようになり、少しは変ったと思ったのだが(ソニーの不払い金額は、全体の中では少ない)、全体の構図は変っていなかったということだ。
結局、クリーンでまじめを表向きにしている銀行と保険会社がいちばんブラックだったというオチ。でもそれは、ごもっとも。なんせ人間をもっとも変えてしまう「お金」というツールを最大限、動かしているところだから。
おまけで今週の東洋経済の最新号。まさにタイムリーに保険の特集ですので、ぜひご一読を!!

★CAUTION ここだけには注意しよう (1)「契約のしおり(約款)」は契約前に必ずもらえ/(2)約款の支払事項だけは目を通そう/(3)「保険の設計書」はここを読め/(4)「不慮の事故」に認定される確率は低い/(5)保険の内容は家族に知らせろ
(ここから) asahi.comより
生保不払いの恐れ、公表12社の合計100万件超
「請求がなければ支払わない」。こんな姿勢で生命保険会社が放置してきた膨大な不払いが、ついに明るみに出た。大手・中堅12社分だけで不払いの恐れのある契約は100万件超。損害保険業界で判明した不払いの規模を大きく上回る可能性が高い。対応が後手に回り続ける生保業界の先行きに、トップ辞任が相次いだ損保業界の姿が重なる。 続きはこちら。(以上)
私はまず、日本は独特なスタイルの保険大国だという印象を受ける。まず、保険のおばちゃん(ニッセイのおばちゃん、自転車で・・・の世界)が保険会社と契約した個人事業主となって、保険を売りまくり、生業とするスタイルが主体であるということ。おばちゃん故に、地域や血縁を頼りに販路を広げていくという密着型の営業をとる。そしてポイントは、保険のおばちゃんは、自身の生業のために保険を売るのが最大目的であるから、消費者にに最適な商品を売るのではなく、保険会社にとって都合のいい儲かる保険を売るのが特徴なのだ。
その象徴的な商品が「定期付終身保険」や今回不払いのもととなっている主保険にくっついている、いくつもの「特約」というものだろう。
そして最近の人はそれほど知らないかもしれないが、ついバブルがはじける前後まで、保険はある種の貯蓄性のある「金融商品」という側面をもっていたという事実も見逃せない。当時の保険のおばちゃんは、健康のリスクとしての保険というよりは、貯蓄運用としての保険として勧誘していたのである。いわば、「この保険に入っておくと、こんなに貯まるよ」というのが売り文句だったのだ。
だから約款の細かいところまで説明など出来るわけがないのだ。
バブル崩壊を経て、ソニー生命などの外資系勢力が、大手企業のサラリーマンをヘッドハンティングしてファイナンシャル・プランナーとして、消費者の納得のいく提案型の保険営業をするようになり、少しは変ったと思ったのだが(ソニーの不払い金額は、全体の中では少ない)、全体の構図は変っていなかったということだ。
結局、クリーンでまじめを表向きにしている銀行と保険会社がいちばんブラックだったというオチ。でもそれは、ごもっとも。なんせ人間をもっとも変えてしまう「お金」というツールを最大限、動かしているところだから。
おまけで今週の東洋経済の最新号。まさにタイムリーに保険の特集ですので、ぜひご一読を!!

★CAUTION ここだけには注意しよう (1)「契約のしおり(約款)」は契約前に必ずもらえ/(2)約款の支払事項だけは目を通そう/(3)「保険の設計書」はここを読め/(4)「不慮の事故」に認定される確率は低い/(5)保険の内容は家族に知らせろ
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